使徒言行録の13章に到って初めて伝道の計画が立てられました。シリアのアンティオケの町は交通の要衝で、ローマ、アレキサンドリアに次ぐ、大都市でした。その地に多数居住していたユダヤ人たちはヘレニスト、ギリシア語を話すユダヤ人たちです。アンティオケ教会には地中海世界の広い地域からさまざまな人々が集まっていました。

 彼らの上に聖霊が降り、バルナバとサウロを選び出して派遣するようにということが命じられました。彼らの召命は、固く結び合っている仲間たちと共に、新たな業へと選び分かたれるよう、御霊によって起こされたものでした。教会の結びつきの力が非常に堅いものであったことが分かります。仲間は按手し、祝福して送りだしました。バルナバとサウロは、アンティオキアの外港・セレウキアから地中海に船出し、キプロスに向かいました。現地にはかなり強力なユダヤ人社会があり、ユダヤ教の諸会堂が彼らの宣教の重要な舞台でした。

 キプロスを縦断してパフォスに到達した彼らは、そこで総督と魔術師に出会いました。総督がバルナバとサウロを招いて神の言葉を聞こうとしたとき、魔術師エリマは、パウロの言葉が自分の考えや占いの術と衝突し、信仰を与えられた者は自分の影響から離れて行くことを見て取りました。それで彼は福音を愚かなものと示そうと努力しましたが、パウロは聖霊に満たされて魔術師を鋭く追及します。神から与えられた力によって魔術師は盲目となり、このしるしを見た総督は信仰にはいります。ローマの高官で洗礼を受けたのは、多分彼がはじめてであろうと思われます。

 神の力は客観的なものだろうか、祈りは必ず聞かれると信じているか・・・
まだまだ私たちには信仰が足りません。ほんとうに信じさせて下さいと真剣に祈らなければならないと思います。

                                



使徒言行録13章1〜12節
まことの神